2012-02-04 16:52
映画 マイウェイ 12,000キロの真実
余りにも壮大なスケール感に圧倒される作品だったよ
初っ端から1928年当時の京城(現在のソウル)の街並みのリアルさに驚かされる
更に物語が進むにつれて、ノモンハンやノルマンディーの戦闘シーンの恐ろしいまでの激しさ、シベリア強制収容所の苛烈な環境、といった映像にただただ圧倒されてしまった
モチロン映像だけが素晴らしい作品ではなく、主演の2人の演技もこれが素晴らしく人間力を迸らせたものだった
本作品は元々ノルマンディー上陸作戦の際にドイツ軍に朝鮮人がいたというドキュメンタリー作品をベースに、監督がそれに脚色を加えて作り上げた物語だ
145分の長さに全く飽きを感じさせないのは、その映像もさることながら、主人公に長谷川辰雄(オダギリジョー)とキム・ジュンシク(チャン・ドンゴン)が辿る余りにも数奇な運命が先の予測を全くさせないこと、そしてその2人の間に薄皮を重ねるように少しづつ強くなってゆく絆が存在するからだろうと思う
もともとジュンシクは長谷川家の使用人だった
2人は出逢った当初からマラソンの選手としてライバル関係になるも、朝鮮人のテロで尊敬していた祖父を殺されたことからそれは憎しみの関係へと変わってゆく
マラソンの日本代表を決める選考会で起こった事件が原因でジュンシクは日本軍に徴用され、ノモンハンで大佐として辰雄と再会することになるのだがこの辺までの辰雄の人物像の描き方は、もしかしたら日本人として不愉快になる人もいるかもしれない
日本人が朝鮮人に対する態度はステレオタイプな嫌らしさで描かれており、山本太郎演じる野田などはその典型だ
その上で辰雄のジュンシクに対する個人的な憎しみが加わるのだから余計にキツイ
押し寄せる大量のソ連軍に絶望的な突撃を命じる辰雄の姿は完全に狂気に支配されているのだが、オダギリジョーの演技はそれを完全に自らのものにしていた
さて、ノモンハンで捕虜になると今度は立場が一変する
収容所の責任者がかつての部下だったのだ
当然ここぞとばかりに日本人に厳しくあたるが、頑として皇軍の誇りを失わない辰雄と相変わらず善人として描かれるジュンシクの対比が面白い
そんな辰雄の心が折れたのは生きるためにソ連軍の軍服を着た時だった
皇軍の誇りと命を測りにかけて命をとったからである
更にソ連軍の将校が自分たちに絶望的な突撃を命じる姿を、ノモンハンでの自分に重ねることで、彼の心の中に明らかな変化が生じるのだった
自分自身を客観的に見つめられる心の余裕を取り戻したと言って良いかも知れない
つき物が落ちたような表情の差を演じ分けるオダギリジョーの演技がこれまたお見事だ
生き残った2人はドイツ軍の軍服を奪い、ドイツ側へと歩き始める
途中生き別れになるもののノルマンディーで再会し、そして連合軍の史上最大の作戦が展開される一連の歴史の流れの中で、2人の関係が急速に接近してゆくのが実に感慨深い
お互いの憎しみを友情に変えるためには、命懸けのそして壮絶な12000キロの旅が必要だったということか・・・
そして、よっし〜!は、このシーンには当時から現代まで続く日本と韓国の微妙な関係に対する監督のメッセージが込められているような気がしてならない
ただそれはもちろん人により受け取り方が違うだろうし、よっし〜!自身漠然とだがそのメッセージを全肯定出来ないような想いはある
見終えて、日本人と韓国人の溝の深さを感じ取ったのは、よっし〜!だけだろうか・・・
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